農地は普通に売れない?農地を不動産売却する方法とは
2024.05.31
農地は作物の栽培を目的とした土地で、相続財産に含まれます。農地の売却には厳しい規制がありますが、地目の変更や転用で売りやすくなる場合もあるのです。売却後は宅地や施設として活用可能であり、売買手続きは農業委員会を介して行われます。実際の事例では、ハウスメーカーや農業従事者への売却が行われ、売買手続きや価格交渉が示されています。
農業委員会に届け出が必要な農地とは?
農地は作物栽培を目的とする土地で、実際に耕作されているかが判断基準となります。相続財産に含まれますが、法務局と農業委員会への手続きが必要です。届出書は10ヶ月以内に提出し、農業委員会に登録します。
◇農地の定義
農地というのは作物の栽培を目的とする土地のことです。休耕地や不耕作地など、現在は耕作されていなくても、いつでも耕作可能な土地も農地に含まれます。
不動産登記簿には土地の利用目的や用途の種類によって、「地目(ちもく)」が記載されていますが、農地であるかどうかに関しては、実際にその土地が農業に使われているかどうかが重要な判断基準です。
そのため、登記簿上は宅地であっても、実際に作物が栽培されている場合は農地と見なされます。
◇相続財産に含まれる
農地は相続財産に含まれますが、一般の土地とは異なり、法務局で相続登記をした後に農業委員会へ相続手続の届出を行わなければなりません。
届出書と登記事項証明書を該当する市区町村の農業委員会に提出しないと、10万円以下の過料を納めなければならなくなる可能性があるため注意しましょう。
また、届出は、相続人の確認後10ヶ月以内に行う必要があります。届出書は農林水産省の公式サイトからダウンロードすることができます。
相続した農地は売れる?

農地は一般の不動産会社では取り扱われず、農業従事者のみ購入できます。売却は農業委員会を通じて行われ、価格は自由に決められません。譲渡所得税の特別控除が受けられます。
◇買手がつくのか
農地は耕作用の土地であるため、農業従事者にしか売却できないという決まりがあります。農業従事者とは、農業に直接携わっている個人、あるいは農地所有適格法人のことです。
そのため、サラリーマンなどの農業に直接従事していない人に相続した農地を売却することはできません。
農地の売買に関しては、農地法によって厳しく規制が行われていますので、一般の土地と比べて買手候補者が少ないという特徴があります。
◇農地の売却を一般の不動産会社へ依頼できるか
相続した農地を売却したい場合、一般不動産会社の多くは農地そのものの買取・仲介を行っていないことを頭に入れておく必要があります。
農地の売却は、農業委員会を通して買手を探すのが基本です。農業委員会では、売却したい農地に対して買い主の斡旋を行っています。同委員会の斡旋を受けて農地を売却する際には、売却価格を自由に決められないという制約があるのです。
ただし、特別控除として譲渡所得税の軽減措置が受けられます。
農地を売りやすくする方法
農地の売却は農地法によって制限されており、農地以外の用途に変更してから売却する必要があります。地目の変更により売りやすくなります。転用後は宅地や施設として活用可能ですが、農業委員会の審査が必要です。
◇農地転用してから売却する
農地の売却は農地法によって制限されているため、自由に売却したいと考えているのであれば、農地以外の用途に変更してから売却する方法を選択することが大切です。農地区分によっては地目を変更すれば、売りやすくなることがあります。
農地でなくなれば、耕作以外の用途で使えるようになるため、不動産会社を介して買手を探しやすいという利点があります。
ただし、農地には「立地基準」と「一般基準」というものがあり、「農用地区域内農地」や「甲種農地」「第1種農地」などでは、原則的に農地の転用はできません。
◇農地転用した土地はさまざまな活用が可能
転用できる農地の場合には、さまざまな活用法が考えられます。変更できる地目には、宅地の他に駐車場や資材置場、営農関連施設、太陽光発電施設などが挙げられます。
宅地としては戸建住宅の他に、集合住宅や分譲地として売却することも可能です。農地転用をする際には、農業委員会の審査を受ける必要があります。
農地を売却した事例を紹介
宮城県で不要な農地を売却する事例では、農業委員会の承認を得て、ハウスメーカーとの契約が成立しました。別の事例では、伯父の相続地を畑として隣接する梨農家に売却する手続きが行われました。
◇ハウスメーカーへ売却した事例
宮城県に住んでいる売主が、使用していない農地を売却した事例です。売主の夫婦がそれぞれ2筆の土地を所有しており、昔は畑として活用していましたが、年齢と共に管理が難しくなったため、遊休地となっていました。
売主の代で使用していない不動産を処分しようと調査を行ったところ、大崎市の農業委員会では農業振興区域内にも第一種農地にも指定されていないことが判明したため、問題なく農地転用ができました。
相場の価格から擁壁設置や水道工事費などの費用を差し引いた金額で、売買依頼から約1ヶ月ほどでハウスメーカーとの契約が無事成立しました。
◇農業従事者へ売却した事例
相続人となった売り主が、相続した畑を農業事業者へ売却した事例です。母親が病に倒れ、入院中に母親の兄である伯父が亡くなり、1人暮らしの伯父の自宅と隣接する畑、アパートなどを母親が相続することになりました。母親は高齢で入院中ということもあり、成年後見人となっている売主が事実上の伯父の相続人となります。
伯父が残した土地は自宅の隣が畑になっており、道路・水路共に分断された変形地です。利用区分も自宅・畑・共同住宅の3種類に分かれているため、まず最初に全体の測量をすることで地形と面積を出し、変形地の評価をした結果、農地評価として減額できたのです。
幸いにも、隣接する梨農家が畑を購入したいと申し出たため、早期売却に繋がりました。成年後見人として、売主は母親の代わりに遺産分割協議や土地売買契約書に署名し、手続きを代理したのです。
農地とは、作物の栽培を目的とした土地であり、実際に耕作されているかが重要な基準です。相続財産に含まれますが、法務局と農業委員会への手続きが必要です。
農地の売買は農業従事者に限定され、一般の不動産会社では取り扱われません。売買手続きや価格は農業委員会を通じて行われ、譲渡所得税の特別控除が適用されます。
農地を売却する際には、農地法による厳しい規制がありますが、地目の変更や転用により売りやすくなる場合もあります。
農地の転用後は宅地や施設として活用可能であり、売買の手続きは農業委員会を介して行われます。
事例では、ハウスメーカーや農業従事者への売却が実際に行われており、売買手続きや価格交渉に関する具体的な例も示されています。
